歯が抜けるといえば、子どもの頃は乳歯から永久歯への自然な生え変わりでした。大人になってから歯を失う最大の原因は、歯周病であるという調査結果があります。重症化した歯周病を放っておくと、ある日突然歯が脱落することもあります。
歯周病は歯周病原細菌が炎症を起こして歯周組織を破壊し、骨を吸収させてしまいます。歯垢や歯石に菌が溜まることで発症します。つまり、歯垢や歯石のないお口には、歯周病が発症しにくいと言えます。
歯肉が腫れていたり、丸みを帯びていたら歯肉炎の可能性があります。歯石や歯垢が歯に付着してはいませんか?初期であれば、ブラッシングを優しく丁寧に時間をかけて、毎日行えば改善します。歯周病はむし歯のように早いうちに痛みを自覚しないため、病気が進行してから気付く場合が多くあります。
また、磨いているつもりでご自分のケアを過信していて、進行に気付かないケースもあります。しかし、
痛みはなくても、歯周病であるなら歯肉の腫れや出血といった異変は現れるものです。その際は、放置していても治らないため、是非お早めに当院を受診ください。
歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでおり、そこに歯垢が溜まりやすくなります。歯垢がたまった状態を放置すると、歯ぐきに炎症が起き、歯肉溝の深さが2~3mmになります。また、歯磨きの際に歯肉から出血することがあります。
歯ぐきの炎症が悪化し、歯周病菌が歯周組織に侵入します。時々噛んだときや歯磨きのときに痛みがあるほか、歯磨きの際に出血することがあります。この段階であれば、まだ完治させることが可能です。
炎症が歯肉だけでなく歯槽骨にまで及び、歯槽骨の半分近くまで破壊が進み、歯が動揺し始めます。歯肉が腫れたり、痛みが自覚されるようになります。硬いものが噛みにくくなったり、口臭を伴うことがあります。
炎症が歯槽骨を破壊し、わずかしか支える骨が残っていない状態です。歯はぐらぐらぐに揺れます。歯肉は腫れ、痛み、膿が出ます。歯科外科治療が難しい場合、抜歯の可能性が高いです。
歯周病は、歯垢や歯石に溜まった原因菌が炎症を起こしていく病気です。そのため、歯の表面や歯周ポケットの歯垢・歯石を除去することが基本的な治療となります。歯の根の方まで歯石が溜まっている場合は、歯肉を一度切開し歯周ポケットを磨きます。歯周病原細菌を取り除けば、炎症を起こす細菌がいなくなるため、また健康な状態に戻ることが出来ます。また、溶けてしまった歯周組織もある程度ならば、再生治療を行うことが出来ます。
歯周病を予防するには、毎食後のブラッシングと歯間ブラシが有効です。そして確認のために半年に一回程度定期検診にお越しいただければ、
歯周病はほとんどの場合予防できる病気です。
歯肉付近に溜まった歯石をスケーラーという器具で除去する処置です。歯石除去の最終目標は歯垢を付着させないことにあります。なぜなら、歯垢こそが細菌の住み家であり、炎症の原因だからです。
スケーリングは定期的に行わないと、歯石が再度付着します。そのため、
3~6か月に1回位の目安で受診ください。
スケーラーを使って歯周ポケット内を掻爬する歯周外科処置です。炎症を起こしているポケット内壁の組織を除去し、歯の表面も滑らかにします。それによって、細菌が歯に付きにくくします。
健康な歯肉と歯は上皮組織で繋がっています。そのため、これを再生し維持することが
メインテナンスの達成度の指標になります。